こんにちは現役介護士のハル(@caree_up)です。
この記事では給料が高い介護施設の特徴について紹介したいと思います。
結論、稼働率が高く、処遇改善手当しっかり取得している事業所は給料が相対的に高く、昇給・キャリアアップする可能性が高いです。
給料の原資は売上と手当
当たり前ですが給料の原資は事業収益です。介護事業所では事業収益=稼働率×介護度です。
稼働率が低い事業所は職員に還元する原資が少ないわけですから給料も低く、昇給も見込めません。稼働率が高い事業所は家賃や光熱費、事務経費などを支払っても利益が残るのでその分職員に還元できる余力が多いわけです。
次に処遇改善手当です。
処遇改善手当とは?
処遇改善手当は介護職員の処遇の改善のための手当で利用者(1~3割)と介護保険(7~9割)から請求しています。事業所はもらった処遇改善は全て介護職員の給料または研修手当として支払う必要があります。
処遇改善には1〜5まであり、1になるほど、職員のキャリアアップや昇給について規定を定めて運営していることが求められます。
つまり処遇改善手当の1を算定している事業所で働くほうが5の事業所よりも待遇が良く、職員に還元する原資が多いということです。
処遇改善をしっかり取得している事業所はそもそも昇給やキャリアアップのために取り組んでいることが求められますし、処遇改善の額も大きいため職員に還元する原資も多いわけです。
特定処遇改善手当
特定処遇改善手当はベテラン介護士の処遇改善のために設置された処遇改善制度です。要件として10年以上経験のある介護士福祉士の処遇を月額8万円以上上げ年収440万円以上取得できるようにしたものです。
10年の経験は他の法人での勤務実績も合わせて計算することができ、上記の要件を満たしていれば他の介護職へ分配することも可能です。
ベースアップ等介護職員等処遇改善
令和4年の10月から算定がスタートしたのがこのベースアップ等介護職員等処遇改善です。
加算比率は2%以内と少ないものの、使い道を介護職員だけではなく事務員などにも広げたところがポイントです。
処遇改善で全く違う報酬
実際に処遇改善手当をしっかり算定している事業所とそうでない事業所の違いを比較していみたいと思います。
例として毎月300万円分介護保険収入をあげているデイサービス(通所)で想定してみます。
計算例
- デイサービス(通所介護で計算)
- 事業所の介護報酬はA,B,C共に300万円
- 事業所Aは処遇に関わる加算を全て取得、Bは一部取得、Cは最低限の処遇改善加算のみ取得
事業所A | 事業所B | 事業所C | |
---|---|---|---|
処遇改善手当 | Ⅰ(5.9%) | Ⅱ(4.3%) | Ⅲ(2.3%) |
特定処遇改善手当 | Ⅰ(1.2%) | Ⅱ(1.0%) | なし |
介護職員等ベースアップ等支援加算 | 取得(1.1%) | 取得(1.1%) | なし |
加算合計 | 8.2% | 6.4% | 2.3% |
処遇金額合計 | 246,000円 | 192,000円 | 69,000円 |
同じ稼働率、介護保険収益があってもAとCでは毎月177000円も職員に還元できる収益が変わってくることがわかります。
なぜ処遇改善加算を取らない事業所があるのか?
ここまで書いての疑問は「なぜ処遇改善加算の上位や特定処遇改善、ベースアップを取らないのか?」ではないでしょうか
様々な理由がありますが、多くは取得するための基準が高く事務作業も含め申請が大変だからというのがあります。
処遇改善手当をもらうためには申請時に事業所単体でも昇給の仕組みやキャリアアップの仕組みを構築する必要があります。
また、毎年実績報告として昇給をいくらしたのかなどの報告が求められます。
これに加え特定処遇改善加算、介護職員等ベースアップ等支援加算は別途で申請が必要なため申請する事業所としては非常に労力がかかります。
事務局や本部を持っている法人であれば申請業務を専門に行う人がいるかもしれませんが、管理者が社長、1~3事業所を運営している小規模事業所ではなかなか取得するのが難しいというのが現状です。
まとめ:働くなら処遇改善をしっかり取っている事業所
給料が良い職場、昇給される職場は稼働率や処遇改善など構造で決まります。
どうせ同じ時間働くならしっかり働いてたくさん給料をもらう方が良いですよね。
今の職場で取得している処遇改善手当を確認し、今後上位の処遇改善を取得予定かなど確認するのも良いでしょう。
また、転職するときは稼働率と取得している処遇改善手当を確認しておくことをオススメします。
資格の取得でもキャリアアップや昇給する可能性がありますのでこちらの記事も見てみてください。

給与の高さに加え休日が多い介護事業所もまとめましたのでチェックしてみてください。
