お泊りデイサービスの経営は終わりの始まり

今回はお泊まりデイサービスのメリットとデメリットについて紹介していきます。

結論はタイトルに書かれているとおり、経営がかなり厳しくなるためやめた方が良いというのが私の意見ですが、その理由なども詳しく説明していきます。

お泊りデイサービスを検討している事業所、今実際している事業所の方で悩まれている方もぜひ見ていただけると良いかと思います。

目次

お泊まりデイサービスとは

お泊りデイサービスはデイサービスに宿泊機能を付けてデイサービスに通ったご利用者様がそのままデイサービスに宿泊できるというものです。

基本は在宅で生活をしつつも、一緒に住んでいる家族のレスパイトや旅行の際にどうしても連れていけないなどの問題が発生します。そんな時に一時的に通い慣れたデイサービスで馴染みのスタッフに対応してもらって一晩過ごすほうが良いだろう

というような考えで広まっていったサービスです。

事業者としてはお泊りを受けるとお泊りをする日、お泊り明けの日の2日利用してもらえるため利用回数が増えるというメリットがあります。

また、大手でお泊りデイサービスをやっている事業所はほぼないのでお泊りをやっていること自体が事業所の特徴になり、それだけで選ばれるようになります。

また、宿泊価格を高く設定すると集客が見込めず、連泊をすると「施設入所」も検討されるため多くの事業所は一泊1000円~3000円と安値でお泊りを受け入れています。

一見便利なお泊まりサービスですが、本来デイサービスとして運営している事業所がお泊まりまでやることであらゆる問題が出てきます。

お泊まりサービスの経営的問題

夜勤人材の採用

お泊まりデイサービスでは夜勤に対して支払える給与に限界があり、給与面で競争に負けてしまいます。

一般的に夜勤で働く介護職はサービス付き高齢者住宅などで勤務すると1夜勤20000円~25000円ほどもらえます。また、常勤職員の場合、夜勤手当5000円ほどが追加手当として出るのが相場です。

これだけの給与を出せるのは単純にお泊りする利用者が多くケアも必要で大変なためです。

ただ、お泊りデイサービスではあまり多くの利用者が泊まりません。大体5名〜多くても9名です。宿泊料金にもよりますが、仮に9名が利用したとしても売上は9000円~27000円ほどです。

大体、お泊まりデイサービスの夜勤手当は13000円~17000円ほどが相場になりますが、それでも赤字になってしまいます。

サービスの質が低下しやすい

結果として夜勤の人が集まらないため、たいていの場合管理者や小さい企業であれば経営者がお泊り要員となり夜勤で出勤することになります。

そうなると責任者クラスが夜勤で抜けているため現場を指揮できる人が不在となり、サービスの質の低下につながります

たまにのお泊りならまだ良いですが、お泊りができることだけがケアマネや利用者から支持されるポイントになると依頼はそのような依頼が止まずお泊り要員が常に必要になります。

構造的にスポットの介護職も採用できず経営者や責任者が夜勤を担当するため日中のサービスの質も挙げられず、とりあえず売上は上がるものの常に苦しい経営が強いられます。

貧困・ネグレクト・困難ケースが集まる

デイサービスの本来の目的である日中の自立支援で質を向上できない分、安値でお泊まりをしてくれることが最大の特徴としてケアマネに認識されてしまう傾向にあります。

その結果として、お泊りニーズの高い方、ネグレクトや特養には入れないが在宅生活が困難な利用者の紹介が多く集まります。

本来であれば有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅に入居できれば良いですし、探せばそのような施設も安価で提供してくれる可能性がありますがケアマネージャーに知識や経験がないと本来住まいではないお泊りデイサービスの連泊で粘ってしまうケースも多く出てきます。

人員不足で夜勤に駆り出され腰を据えた経営ができない

上記の問題から結果として経営者や管理者・相談員などの中心人物が夜勤を担当することが増え、本来時間を使うべきサービスの質の向上や戦略的な広報活動に時間を使うことができなくなり、ただお泊りができるだけのデイサービスになる傾向が出てきます。

デイサービスで多拠点を運営している事業所、地域ナンバーワン店と言われるデイサービスはお泊り型はほとんどなく「自立支援」「自己決定」「機能訓練」など日中の活動にフォーカスし、本来のデイサービスで求められている事業を全うしている事業所でであり、お泊りデイサービスで成功を収めている事業所は私の記憶ではほとんどありません。

まとめ

以上がお泊りデイサービスという形態が構造的にいかに経営の問題を生じさせるかについて説明していきました。

これからお泊りデイサービスをはじめようと思っている方、今やっていて苦しい方はデイサービスの本来の目的に立ち返って日中の活動を中心にサービスの質を向上させていくことをお勧めします。

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この記事を書いた人

介護施設管理者/在宅サービス好き/採用側、求職側両方の視点からキャリアに役立つ情報を発信していきます。

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